口コミ(クチコミ)の力Part3
1.ネット利用者は物語がお好き!?
口コミ(クチコミ)の力Part2で紹介した例を読んで、すでにお気づきになった方もいらっしゃると思いますが、ここで私がお話したかったのは
どんな情報が彼らにファン心理を植えつけるのか
もっと端的に言えば
ファンを獲得するには、どんな情報をホームページに掲載すればいいのか
ということでした。
この話がまだ完結してませんでしたね。
決して忘れていたわけではありませんよ。
だって、あのブログについてお伝えすれば、お気づきになる方々もいらっしゃるはずです。
いかがですか?
ホームページ訪問者の心理は、さまざまな規制から開放され、より自由、より個性的でわがままです。
そして、無印、ノーブランドであっても、自分にフィットする価値には素直に反応します。
そして、そんな彼ら(私たちも)は、小さな物語をとても好むようです。
その小さな物語に
共感し
身近に感じ
親しみがわき
自然なファン心理が生まれる
わけです、
みなさんにも1つや2つ、ファンであると自認するものがあるでしょう?
好きな俳優さん
好きな球団/クラブ
好きなブランド
いかがでしょうか?
2.共感・身近さ・親しみ
そこで少し考えていただきたいのですが、皆さんにとっての「好きな・・・・」が
生まれる時って、その前に、それに対して、
何かしらの共感
身近に感じる理由
親しみを感じるようになったきっかけ
があるのではないでしょうか?
それらの小さな、そして、あなたにとっての1つ1つが、今のファン心理に結びついているはずなんです。
逆に言うと、そういう、共感したり、身近に感じたり、親しみをおぼえたりする理由、きっかけとなるものを、ホームページに掲載することが、ファン心理を生む可能性をもつということなんです。
いかがです?
なんとなく、わかっていただけましたか?(笑)
3.ネット利用者は、現場の汗が好き!?
既に終了しましたが、NHKの「プロジェクトX」という番組をご存知の方も多いことでしょう。
この番組は、まさに、ファン心理を獲得するためのプロセスの宝箱です。
メジャー企業の、まだ名もない小さな町工場だった時代を生き抜いた、決して挫けることのない(多くの場合)男たちの汗と涙の連続を、たくさんのエピソードを交えながらドキュメントタッチに描いて高視聴率を得たあの番組です。
あれって、ファン獲得に必要な要素、全部持ってますよね。
さて、では、プロジェクトXと前述のブログを例に借りて、貴社のホームページにどんな情報を掲載すれば利用者のファン心理を獲得できるのか、考えてみましょう。
もう、既に、口コミ(クチコミ)の力Part2のブログの例でもほぼ出揃っていますが、
「共感したり、身近に感じたり、親しみをおぼえたりする理由、きっかけとなるもの」
とは、
第一線の営業や製造現場の臨場感
たった1つの失敗から生まれた成功の糸口
だめ社員の漏らした一言が起こした事件
設計、製造現場の苦悩、生の声
表には出にくい開発の裏側にあるエピソード
などかと思います。
そんな、一見、何気なさそうな話題にも、見せ方、表現のしかたによっては、とてもドラマがあり、利用者の心をひきつけ、共感を呼ぶ情報になりえるのです。
社長さんの公式なお話になんか、誰一人共感したりしませんから(笑)。
読み手の目線に近くて、読み手も一緒になって想像できるような身近さが肝要ですよ。
「そんなもん、当社にはないよ・・・・」
って声が聞こえてきそうですが、そんなことはありません。
活発に稼動している企業であるなら、ましてや、物を生み出す現場があるなら、エピソードがないわけはありません。
足元をよく見てください。
部下の方々の声を聞いてみてください。
その現場、現場には、失敗も成功も、それぞれの物語が山ほどあるはずです。
4.自慢話がファンを生む!
さて、最後になってしまいましたが、ファンを生む・獲得しようと、私が新たにに試みている例をお話して、「口コミ(クチコミ)の力シリーズ」を終わることにしましょう。
私は、この半年間、ある食品メーカーのネットビジネスのコンサルティング、マーケティングそれらの結果を踏まえたホームページの再構築を行ってきました。
このホームページの中で、私は今、ファンを醸成する1つの試みをしようとしています。
それも、みなさんにこれまでお話してきた内容を否定しかねない方法で・・・
私は、この会社に、自分の会社についてさんざん自慢してくださいというお願いをしました。
「それいうのって、営利性や露骨な商売っ気感じさせ、ネット利用者の反感を買うって言ったじゃん?」
って声が聞こえてきそうですね。
その通りです。
一歩間違えば、とても反感を買い、企業イメージを損なう可能性があります。
でも少しことがあるんです。
わたしがお願いしたのは、その会社の上層部の人の自慢ではありません。
私がお願いしたのは、
第一線で客の文句を体で受け止める営業マン
毎日遠くまでトラックを走らせる運搬係
乳酸菌や酵母菌を暗い中で見守り続ける品質管理担当
そんな、会社を支える一線で汗する人たちだたんです。
正直、あまり期待はしていなかったのですが、こうした現場の声がことのほかたくさん集りました。
その1つ1つが、大変いい自慢になっていたんです。
私は、これを読んで、この会社はいい会社だなぁ、と思いました。
だって、そうでしょう?
第一線の現場の社員たちが自分の会社をしっかり自慢できるんですから。
そこで思ったのは、やはり当所の目論見通り、
「第一線の現場の自慢話は、読み手の共感を生むはず」
との気持ちを強くした次第です。
この会社の再構築されたホームページは、今、公開されたばかりです。
さて、結果はいかに。
また、ここで、みなさんに報告する機会があるかも知れません。
その時までのお楽しみとしましょう。