「高級紳士用携帯」市場ってあり?!
昔むかし、思ってたんです。
「高級紳士用携帯電話」って市場、ありなんじゃないの?
って。
こんにちは。
チームデルタの谷口です。
総務省主導でインセンティブ(販売奨励金)が廃止され、実質端末価格が上昇した現在においても、携帯電話端末の寿命はとっても短いですよね。
ニューモデルはひっきりなしに市場に投入されてますし。
そんな消耗品とは一線を画す、いわゆる「高級携帯端末」を求める人たちが少なからず、日本にはいるんでないかと思ってたわけです。
時計なら、ロレックス、IWC、パテック・フィリップ
車なら、アストンマーティン、ベントレー、フェラーリ
などなど、
エンスージアストを標榜する「モノ好き」富裕層の「こだわり」に遡及する商品・ブランドがあるでしょ?
そして、これまで長い間、彼らのリクエストを満たす携帯電話端末がないことが僕には不思議だったんです。
だって、所得がない学生くんと同じような携帯しか持てないことに、満たされない想いを抱いた「モノ好き」富裕層がいたって全然不思議じゃないです。
身の回りの品々に特別なこだわりを発揮するモノ好きは案外多いです。
特に男は機械モノが好きですから(笑)。
ステータスを明瞭に記号化できた商品は、常に特別な需要を呼び起こします。
上記で挙げた時計、車はその代表でしょう。
これらの1つ1つには、エンスー達を惹きつけてやまない物語が必ずあります。
「伝説」と言われる逸話さえも。
その1つ1つが確固たるブランドを支える力です。
2009年2月、満を持して日本に上陸したのが、ラグジュアリーモバイルフォンと銘打たれた「VERTU(ヴァーチュ)」。
先ごろ、その旗艦店が銀座にオープンしたとか。
金やプラチナ、セラミックやチタンを素材に、伝統のクラフトマンシップによる精緻な仕事が施された究極の携帯端末。
その価格は、67万円~600万円!!
そして、ダイナースプレミアカードやアメックスセンチュリオンカードが提供するのと同様のコンシェルジュサービスが、携帯のボタン1つで使えるらしいんです。
その利用料金は、他の付加価値も含めて、月額52,500円と、こちらも何ともプレミアなお値段。
昔むかし、僕が思い描いた「高級紳士用携帯電話」は、コノリーレザー仕立てだったり、べっ甲製の匡体だったりしたんですけど(笑)。
さてさて、「超高級腕時計の存在感にも迫る携帯端末」をコンセプトにスタートした究極のモバイルフォン「VERTU」。
日本の機械モノ好き富裕層のハートをつかむことができるんでしょうか。
僕は、3年以内に撤退、に1票です。
何故?
それはね、「携帯」という商品が、これだけの価格付けがなされるほどに時の洗礼を受けていない、と感じるから。
この価格にふさわしい「逸話」が生まれるには、まだまだ時間が必要だと思います。
数百もの極小部品を一人の職人が数か月かけて組み上げる機械式超高級腕時計や、スペックを遥かに超えて、情感の領域にまで侵入する官能性すら身につけてしまった車たちと比べると、存在が軽すぎます、値付けに対して。
これが、20万円までの価格帯だったら、「あり」かなとも思うんですけどね。
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