あなたの会社にはメッセージがありますか? 〜 Web マーケティングよりマーケティング #34
社名を聞いて、すぐにイメージがわいてくる企業テレビCM でよくみかける、あるいは誰もが知っている、そんなごく限られた企業でさえ、今、積極的にメッセージを発信しようと努力しています。
あなたの会社にはメッセージがありますか?
顧客に約束していますか?
顧客はそれにベネフィットを見い出せますか?
顧客はそれに共感できますか?
そして貴社のサイトは、強いメッセージを発信していますか?
ここ1年、サイト構築で僕が最も力を込めているのがメッセージです。
企業にはメッセージが必要です。
企業は、自らの思いを、自らの言葉で伝えることが必要だと思っています。
そのメッセージは、理念かもしれません。
仕事に対する情熱かもしれません。
志かもしれない。
あるいは信念とか信条かもしれません。
ただそれらは、社長室の壁に掲げられただけの薄っぺらなお題目ではなく、また、社員に無理やり唱和させるためのものでもありません。
それは、顧客に対する覚悟です。
強い約束です。
理念や志がない企業には真の戦略は描けません。
その場限りの戦術に陥るのは自明です。
理念に裏付けられた健全な経営でなければ、追い求めるのはお金だけになってしまいます。
今、企業にはメッセージが必要です。
清廉な志に支えられた顧客への、社会への貢献を綴った気高いメッセージです。
他のメディアを使えない多くの企業は、それをサイトを通して伝えることが必要です。
チームデルタにとって、顧客に対する最初でかつ最も大事な仕事は、顧客と共にメッセージを作り出すだすことになりつつあります。
なぜなら、それが成果を生むからです。
それが選ばれる理由になるからです。
コーポレートサイトで最も大切なコンテンツは、理念、志、情熱、信念、信条を綴った自らの言葉です。
実は、ここ1,2年、素晴らしいメッセージを発信する企業が増えてきたなぁ、と感じていたんです。
そんな矢先、僕が心から信頼するコンサルタント
鳥内浩一さんのこんな投稿を見て、さらに感じ入
るところがありました。
ぜひ、ご覧いただければと思います。
いいメッセージですよね。
こういうメッセージに出会うと、少しその企業に
対するイメージが変わってしまいます。
もちろん、それを目論んでの広告なわけですが、それでも、こうしたメッセージが人の感情に変化を起こすのは間違いありません。
鳥内さんの言葉を借りるなら、こういうのを
【理念型広告】
と言うそうです。
うーん、初めて聞く言葉ですが、非常に興味深いです。
他にもあります。
先日、離陸前の持て余した時間の中で、機内誌に目を通していると、こんなメッセージを見つけました。
何もしなければ何も起きない。
行かなければそれはやってこない。
飛び出さなければ世界は変わらない。
すべてのひとの心に翼はある。
使うか、使わないか。
世界は待っている。
飛ぶか、飛ばないか。
海をこえよう。
言葉をこえよう。
昨日をこえよう。
空を飛ぼう。
ココロノツバサ。ANA 60th
過去よりも今、今よりも未来。
前をみて日々を送るのも、過去にとらわれるのも自分の、「ココロノツバサ」次第。
勇気を持て。
リスクを取れ。
そんなふうに気持ちを鼓舞する力強いメッセージを目にしながら、ちょうど離陸を開始した機内で一人、胸が高鳴りました。
また、全日空創立60周年特設サイト内にあった60周年祈念映像の最後のメッセージには
”Inspiration of Japan”
に再び胸が熱くなりました。
ちょっと古いところではこんなメッセージもあります。
JR東日本管内の各駅に掲示された同社のポスターで、タイトルは、
2010年12月の広告なので、見覚えのある方々も多いのではないでしょうか。
かつてニッポンが変わる時、世界が変わった。
夢の超特急が走る時、時代が加速した。
メイド・イン・ジャパンには、夢を現実にする力がある。
その力は今も、失われてなんかいない。
失っているのは自信だけだと思う。
むしろニッポンは、少し大人の国になった。
環境とかカルチャーとか、できることも増えた。
立ち止まっていても、はじまらない。
もういちど、上を向いて歩こう。
遠くへ向かって走り出そう。
まもなくニッポンは、新しい速さと快適さを手に入れる。
またひとつ私たちは、夢を現実にする。
―2011年3月5日、東北新幹線E5系「はやぶさ」デビュー。
私たちの夢が走り出す。
日本を支えるビジネスマンにとって、鉄道は毎日の苦楽を共にしてきたある意味で同士。
40代、50代に向けた心を揺さぶる力強いメッセージで、僕らを奮い立たせてくれました。
空と陸の違いはありますが、どうも人を運ぶ、旅客ビジネスには、人の心が感じ入りやすい何かがあるんですね、きっと。
多くの人が共感し、心が揺さぶられるようなメッセージが、多くの企業から発信されることを期待したいところです。
メッセージの発信には覚悟が必要になると思います。
そのくらいでなければ、顧客の共感を得られません。
もしもそれが、単なる広告に留まるならば、その企業は、顧客たちから大きなしっぺ返しをくらうはずです。
いえ、ヘタすると多くの顧客を失いかねません。
だって、自ら『嘘つき』であることを証明することになりますから。
それでも、僕は、たとえリスクを抱えてでも、企業にはメッセージが必要だと思います。
いや、今のような時代だからこそ、力強く誇り高く、顧客に対してメッセージを送り出してほしいと思うのです。