いいサイトをつくるために #2
前回のコラムに掲載した写真、何だと思います?
折りたたみ式携帯電話のヒンジ部を構成する部品の1つです。
白いプラスティックの台に極小の金属のボールがのってるでしょう?
このボールの埋まり方がとても重要なんです(って)。
台から出ているボールの高さ、逆にいえば、台に埋まっている深さに1000分の1ミリの精度が求めらると言うことです。
こんにちは。
チームデルタの谷口です。
蓄積された膨大な情報と培われてきた技術が作り出す、工業用の超精密プラスティック。
この精密な部品を作るには、まず溶かしたプラスティックを流し込むための金型が必要になります。
金型に流し込んで成形されたプラスティックに求められる精度が1000分の1ミリ。
金型に求められる精度はもちろんですが、原料となるプラスティックの成分や溶かす温度がどれほど大切か、素人の僕にもわかります。
量産フェーズに持ち込むまでに、金型を設計/製作し、成形トライ、測定、金型修正や成形条件の見直しを繰り返します。
緻密な作業とデータ管理の連続です。
僕が気づいた、競合する他社サイトのどれもが注目していないこと。
いえ、僕に言わせれば、それらの企業自身すら忘れてしまってるが故に、制作業者も同じく気づきもしない(自分たちの足元にある)大切なこと。
何だと思います?
これらの部品の中には、
・その精度が人の命に影響を与えかねないもの
・その精度がユーザーエクスペリエンス(使い心地)を大きく左右するもの
が多く含まれています。
たとえば、折りたたみ式携帯の開く/閉じるをイメージしてみてください。
小さな動作の中にも、硬さ、抵抗感、カチっと感など、案外、好き嫌いが生まれそうな要素が含まれるでしょう?
これらに大きく影響するのが、極小部品に求められる1000分の1単位の精度なんです。
彼らが絞った知恵の量をコンテンツに反映したいと強く思いました。
人の知恵が創り上げた技術を、人の手が生み出した製品を、「作品」のようにビジュアル化したいと。
それを叶えるべくセンスを持ち合わせたカメラマンが必要でした。
起用したのは女性。
彼女は、ずっと「水」をテーマに撮り続けています。
日常の水、水たまり、雨、滝、そんな水です。
彼女なら、僕の意図するところを捉えてくれそうな気がしました。
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