イタリア式コミュニケーション術に、、、ワロタ
その事件は、とあるリストランテのオープンキッチンで起きました。
この季節、大好きなポルチーニのパスタを口にしながら、何気に厨房の中を見ていると、、、、
こんにちは。
チームデルタの谷口です。
レストランでは、よく事件が起きます。
料理を堪能し、飲み過ぎたご年配者が泡吹いて救急車だったり、
微妙な雰囲気が漂う男女の会話がヒートアップして女性がキレて退場したり
(いつも退場するのが女性なのは何故・・・)
そして、その日、事件は厨房の中で起きたのでした(笑)。
何だか神妙な顔つきで報告してる女性スタッフが一人。
厳しい目で報告を受けながら話をするシェフ。
失敗をしでかした彼女に何か諭しているように見えます。
そして次の瞬間、、、手にしたフォークを口ではなくアゴにぶつけてしまうほど目を奪われるような行動をシェフがとります。
なんと、女性の頬に手を当て、優しくなで始め。。。
そして彼女におっとりとした口調で語りかけているんです。
これって映画の1シーン?
女の子は神妙な面持ちながら、ほっぺを赤く染め、そして、凛とした表情を取り戻したかと思うと、爽やかに一礼して持ち場に復帰していきました。
1分にも満たないわずかな時間がもたらす小さなドラマでしたが、心の中に涼やかな風が吹き抜けたような気分でした。
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たとえ上の立場にいる人からであっても、叱られればうれしくないですよね。
強く叱られれば、自尊心も傷つくし、反感だって抱いてしまう。
でも、持ち場に帰る彼女の顔には、ネガティブな表情は欠片もありませんでした。
言葉こそ聞こえてきませんが、彼女の感情の動きは見て取れます。
何が悪かったのか、次にどうすべきなのか、ちゃんと諭し、納得させた上で、モチベーションを一層昂揚させるイタリア式コミュニケーション術。
驚きました。
というか、こんな高度な人心掌握テクニックを目の当たりにされては、その数分の一もできないであろう僕は、笑うしかありません(笑)。
いったい、どうやったら、失敗した部下に、あんないい表情をさせることができるっての。。。
だって、僕があれやったら、どうなることか、、、セクハラ、ドン引き、のいずれかです・・・(笑)。
あのシェフの表情、ゆったりとした会話、ほっぺをなでる手。
これら全部の成分表、誰かください(笑)。
ここは、史上最年少でミシュランレッドブックの最上位にランクされた天才が、本国以外に出店した最初の店です。
そして前述のシェフは、グランシェフから日本をまかされた男。
料理の腕もさることながら、さすがにいい人材を揃えています。
あるホテルのメインダイニングから、汐留のあるビルに都落ちしたイタリアンにも、コミュニケーションに特別な才能をもったシニョールがいます。
何でこんな料理に彼女たちはそんなに笑顔でいられるのかと不思議に思っていると・・・
各テーブルに寄り添っては、可愛い日本語で語りかけている男性二人。
それぞれの立ち回りを見ていると、女性だけのテーブルに立ち寄っては、場の空気をワイン色に染めることを仕事にしている模様・・・
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お客さんが喜ぶことをして差し上げる。
課題・問題を補って余りある満足感を提供する。
このお国の男性たちはこういうことをやると実にうまいです。
そういえば、豪華客船のクルーズ旅行アディクトな女性たちの中には、売れっ子クルーを追って船を選ぶ人がいるとか。
そして、売れっ子たちは、だいたいイタリア人だと聞いたことがあります。
陽気で人懐っこい彼らの良さを前面に出すのも「独自の売り」として十分に機能しているようですね。
しかし、どうやったら、ほっぺなでるだけで、女性をあんないい表情に変えることができるんだ・・・
★今日した いいこと
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猫の庭遊び
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