サイトの力は言葉の力
1.すごいブログが存在する理由
これは、私が、Webプロデューサーなる仕事についてから、あるいは、セミナーや講演会の機会をいただくようになってから、一貫して多くの方々にお伝えしていることです。
サイトの力=伝える力≒言葉の力
もちろん、サイトの力=伝える力には、見せ方といったデザイン性や情報構築術といったテクニックに依存する要素も含まれます。
ですが、基本的には、人の心に訴えかける、人の心に変化を起こさせる言葉の力がないと途中で息切れしてしまいます。
ネットビジネスの環境がこれだけ急速に変化していく中、やはり10年来言い続けてきて、いまだ正解だと確信していることがあります。
それは、
ホームページは文字で情報を伝えるツールである
ということです。
当たり前のことのように聞こえますよね?
それがそうでもないんです。
自社サイトの企画を開始して、自ら、もしくは業者に頼んで制作を開始すると、、、、
みなさんの多くが、
色、形、写真というビジュアルなファクター
へ目と意識が向かってしまって、大切な大切な言葉におくべき軸足が完全に浮いてしまうという失敗例をたくさん見てきました。
ネットビジネスの経験の浅い企業ほどこの傾向が強いように思います。
よろしいですか。
ホームページというのは、間違いなく、言葉で、文章で貴社の情報を正確にかつ、素早く顧客に対して伝え、顧客のリクエストを満たすためのツールなんです。
見栄えのするデザインやグラフィックスは、それを補完する役目を担っているにすぎません。
また、ブログが大変普及し始めた今、やはりこのことがより証明されつつあるように思います。
ブログは、ホームページを非常に簡略化したもので、誰にでも手軽に作成・更新ができます。
でも、そのコンテンツの中心は、まさに言葉、文章です。
それでも、へたな企業のホームページをはるかに凌ぐアクセスを集める個人ブログが星の数ほどあります。
なぜでしょう?
それは、読んでおもしろいから。
訪問してくる人たちは、いつの間にか、そのブログ、あるいは、そのブログの著者のファンになってしまったからなんです。
実に簡単な理由です。
ブログに限らず、ホームページの新たな使命や期待できる役割として、ファンを獲得する、あるいは、ファンを作り出すということに私は注目しています。
ファン獲得のお話は、別の記事にしていますので、そちらで。
いずれにしても、訪問者の心に訴え、好印象を与え、商品、サービスの購入にまで誘導することができるのは、言葉の力に負うところが大きいということです。
2.サンマの活きのよさは写真では伝わらない!?
言葉の力について、1つ事例を紹介しましょう。
ある大変売れている鮮魚取扱い業者のお話です。
店舗は持たず、販売はもっぱらネット=ホームページ+メルマガに頼っています。
この業者さんの作成されたページのごく一部の紹介になりますが、なぜ、この店舗が大人気なのか、その一端に触れることはできそうですので参考にしてみてください。
以下の2枚の写真を見てください。
これは実際にこの業者さんのホームページで使われているものです。
どうでしょう?
この写真を見て、あなたはヨダレが出そうですか?(笑)
では、他の業者と比べて、特別にここで買いたくなる理由を見つけ出すことができるでしょうか?
出来ませんよね?
そのはずです。
こんな写真、どこにでもあるし、この程度の画像で人の食欲をそそるほど、人は情報に飢えていません。
ではなぜ、この業者さんは他の同業者に比べて、一歩も二歩も売上げているのか・・・
3.人は「物語」にヨダレをたらす・・・
さて、次に、下の文章を読んでみてください。
この文章も、実際のホームページに掲載されていたものの一部です。
いよいよ今年もサンマ漁が始まります。
朝獲れの、水揚されたばかりの新鮮なサンマをコンピューターで瞬時に選別し、さらにその中から脂の乗った極上品のみを選んで発送します。
海洋深層水と氷を入れた発泡箱に丁寧に並べてお送りします。
もちろん、お届けはクール宅急便。
だから、獲れ獲れの抜群の鮮度でお届け!!
刺身も自信をもってお奨めします。
○○○では、毎日毎日、70トンものサンマを買い付けて処理します。
なんとその量、1日に約50万匹。
その中から、厳選してお送りするので、○○○のサンマは最高なんです。
自信があります。
一度、体験してみてください。
いかがです?
サンマ好きな方、サンマの刺身や、焼いたサンマを肴に一杯やるのが好きな方の心に間違いなくヒットすると思いませんか?
ここには、意外と簡単にできる秘密が隠されています。
そもそも、ホームページに掲載できる写真の解像度(簡単に言えば写真の美しさの程度)はたかだか知れているんです。
その程度の写真で、サンマの活きのよさを伝えるのは難しいかもしれません。
が、例えそれが可能になったとしても、それだけで、山ほどある同業他社の中からこの会社を選ぶ理由にはなりにくいでしょう。
そのさんまが、”いかにおいしいか” を伝えるには、
そのさんまが、
いつどのように獲れて
どのような人の手をたどって
どのようにして送られ
どのようにして自分の手元に届くのか
という、買う、あるいは買おうとしている人だけのプライベートな「物語」があればいいんです。
そういう意識をもって、再度、上の文章を読んで見てください。
いかがでしょう?
なんだか、ヨダレがたれてきて、のどがごっくんしそうな気持ちになりません?
この文章から、あなたの脳内でイメージが動き始めます。
あなたのお手元に、その物語の中のサンマがもうすぐ届くことになると思うと、なんだか少し、わくわくしますよね。
上記の文章の中には、人の心を反応させる以下のようないくつもの単語やフレーズが含まれています。
朝獲れ 今日 極上品のみ 選んで 海洋深層水 氷 丁寧に並べて
もちろん クール宅急便で お宅まで 鮮度 バツグン、刺身
毎日毎日、70トン 1日に約50万匹 厳選して
これらの一つ一つがサンマ好きな人の脳内に染み渡り、「ここのサンマは美味そう!」という結果をもたらし、注文ボタンを押させるという行動に結びつけるのです。
4.「おいしい」って書かないで!
言葉の力とはこういうことなんです。
例えば、
当社のサンマはおいしいです。
と書いてはいけません。
ここのサンマはおいしそうだなぁ・・・・
と想像させる文章を書こうと努力してください。
処理と発送にこだわっています。
と書かないでください。
処理と発送にこだわってるんだなぁ。。。。
と思わせる文章を想像してみてください。