何だか、心がカサカサするんですけど #2
新しい年がスタートしました。
未来は常に希望にあふれています。
みなさんにとって幸多き年でありますよう、心から祈念いたします。
2010年はとてもアグレッシブな年になりそうです。
昨年、さまざまなメディアからコンタクトいただいたことも幸いして、新しい出会いや取引の機会が生まれつつあります。
今年も、現役のWebプロデューサーとして、『本質的な課題の解決』に向けて、質の高い提案を志してまいります。
あけましておめでとうございます。
チームデルタの谷口です。
今年初めてのコラムは、少し辛口の内容で(笑)。
僕はここでは、僕の数少ない趣味である『食べること』に関してはあまり語らないようにしています。
でも、どうしてもしゃべりたくなる店に年に何軒か、いや、せいぜい1,2軒程度でしょうか、そんな店に出逢います。
僕は『食べること』をとても大切にしています。
自然がもたらす恵みに感謝し、それらに魔法でもかけたかのように『料理』へと昇華させる優れた料理人たちを尊敬しています。
そして、時々、汚れが付着しカサカサになってしまう僕の心を浄化し、癒してくれるレストランや料理屋を愛しています。
心がカサカサになる原因はだいたい決まっています。
会うべきでない人たちの存在です。
最近、こんなふうに思っています。
平気で悪いことをするSEO業者さんや、お客さんのこと、あるいは、お客さんのそのお客さんのことなんてこれっぽっちも考えることなく形にしてしまうクリエーターさんや、恥ずかしいという感覚が欠落した自称マーケター屋さん達には、できるだけお会いしないよう心がけなければいけないと。
そうなんです、自ら見極めて、近づかなきゃいいんです。
そうすれば、カサカサになる頻度も減るはずですからね。
この不景気な時代、心を癒すにもお金がかかりますからね(笑)。
-------
話は変わりますが、今年の夏の選挙に大敗して下野した自民党。
その自民党にあって最高の政策集団と言われたある会派の事務所が先日まであり(負けちゃって家賃払えなくなったんですかね・・)、まさに日本の政治の舞台を象徴するような古いビルの駐車場のすぐそば(ほんとにそう言いたくなるような場所なんです!)に、ある一軒の鮨屋があります。
駐車場からビル内に入って1メートル。
そんな、ちょっと変な場所だから、政治家たちに汚されることもなく(そこが一番うれしい!)、ここの鮨を敬愛する食いしん坊たちだけで毎日静かににぎわっています。
目の前の和風にしつらえた扉を引いて多くの人はびっくりするはず。
『狭っ!』
って(笑)。
中はたった6席のカウンターのみ。
ものすごく小さいんです。
でも、席に着いた瞬間から、そこは、ぴんと一本筋の通った清らかで静謐な場に変わります。
(この空気感は、名だたる名店によくある要素です)
大将がカウンターを、お弟子さん2名が奥の厨房を担当します。
ここは、今年一番の魚と鮨を僕に提供してくれました。
ここ数年、あらゆるジャンルの店の中で、僕が一番大切にしてきた店なんです。
先日、ここの大将に質問しました。
『なんでここの魚は、こんなにおいしいんだろう?』って。
すると、
『鮨屋だからじゃないですかね』
だって。
世の中の鮨屋が、みんなこんな料理を出せたら、たぶん世の中は大変なことになります(笑)。
それにしても、あまりにも謙虚なコメントです。
でも、鮨屋として自らそうありたいというポジションを明確にした誇りすらを感じさせる言葉でもあります。
真っ正直に、毎日、毎日ひたすら腕を磨いてきた人の言葉です。
こういう言葉に、僕は時々ショック死しそうになります。
そのくらい、僕らの業界には自らの言葉を自らの行為で貶める人たちが多いから。
『セカンドライフ』をネタにしようとした人が、今度は『Twitter』を語りますからね。
結果は既に明白なのに(笑)。
分析力、足りないんでね?
って、思わず言いたくなっちゃう。
最近、この系をネタにしちゃうと止まらなくなっちゃいそうで危ないです。
自嘲しなきゃ。
話を戻します。
客から声をかけなければ自ら口を開くことはめったにない大将ですが、料理する姿は、まるでストイックに練習を続けるアスリートのようです。
黙って自然に仕事をするだけで、こんな厳しくて清々しい姿を人に伝えられるようになるまでに、どれだけの時間が必要なんだろうって料理をいただきながら考えてしまいました。
この、世界で一番小さいかもしれない鮨屋。
案の定、ミシュランに見つかってしまって、今年、★3つの栄冠に輝きました。
鮨屋としては史上三軒目。
他の二店は銀座です。
でも、こちらは、その半額以下でそれ以上の鮨がいただけるんです。
それでも僕にはまだまだ高額だから、そうそういつも行けるわけじゃないのに、これで益々、凛々しい大将の姿を見る機会が減りそうです(泣)。
おっと、こんなことを書いてたら、僕の席取り合戦がますます苦しくなってしまう。
だって、この東京にあって、昼夜でたった12人しかありつけないんですから、ここの鮨には。
心がカサカサにならないよう気をつけなきゃ!
本年も引き続き、よろしくお願い申し上げます。
コラムのすべては、AllAbout Profileにも掲載しています。
◆最新のコラムはこちらから。
-------------------------