口コミ(クチコミ)の力Part2
1.書くことがない!?
ネットにおける最も効率のいい認知・販促方法としての「口コミ」について、そして、その原動力となるファン心理の醸成について、「たまごかけごはん醤油:おたまはん(R)」を例にお話しました。
私はセミナーや講演会を通して、経営者やネットビジネス担当の方々とお話する機会が多々あります。
その中で、よくこんな言葉を聞きます。
「うちは、こつこつと物を作る会社だから、ホームページに書くことがあまりないんですよ・・・」
特に、工業、製造業に関わる方々に多いように感じています。
貴社でも、同じような感想をお持ちでしょうか?
私は、この方々にいつもこう言います。
「それはあり得ません。 企業が活発に稼動していて書くことがないなんて」
そして、こう付け加えます。
「書くことは腐るほどあるのに、貴社の目に見えてないだけじゃないですか?」
と。
少なくとも、物の設計や製造を行う会社ほど話題に恵まれた業種はありません。
ちょっと、話がそれつつありますので、修正しましょう。
ホームページに書くことがあるか、ないかの問題ではありません。
2.ファンを生む情報とは?
ホームページの利用者たちは、
何を好むか
何を求めているのか
そして
どんな情報が彼らにファン心理を植えつけるのか
もっと端的に言えば
ファンを獲得するには、どんな情報をホームページに掲載すればいいのか
というお話をしたいわけです。
さて、想像してみてください。
貴社に対し、ファン心理を持つということはどういうことでしょうか?
また、どうすれば、それは得られるでしょう?
答えは、案外、身近な簡単なことなんですよ。
ファンになる、ということは、まぁ、簡単に言えば、
A社、B社、C社 の中では、なんとなく、あるいはとても B社が好き
と、こういうことです。
あなただって、1つや2つ、理由は特にないけど、他と比べれば、○○が好き と思うものってあるでしょう?
3.食べても太らないケーキとファン心理
1つ例をお伝えします。
去年、ファンを得るプロセスとして、私的に大ヒットだったあるブログの話です。
意識して仕組まれたわけではない(多くの場合、あまり意識すると営利性みえみえになりますよね)このブログがなかなか心憎いことをやってくれてるんです。
ケーキ大好き、そしてフードジャーナリスト・料理研究家でもある女性が作った、まぁ、言ってみれば、
「食べても太らないケーキ作り奮戦記」
のようなもの。
その理想のケーキが完成するまでの経過を毎日綴ってる、普通といえば普通のブログです。
確かに「食べても太らないスィーツが食べたい!」 という女性らしい発想と着眼はいいですね。
でもブログの中身なんて、たいそうなことは書かれていません。
では、私は、なんでわざわざ、ここでみなさんにお伝えしたいのか・・・
ここには、ネットビジネス成功の「肝」が隠されているからです。
そうです、ファン心理を醸成し、ファンを獲得することが、企業にとってどういう強みをもたらすのか。
ここに書かれている内容を要約すると、こんな感じです。
うまくいかない失敗の話
調理中に指を切って失敗した話
ちょっとだけうまくいって、ワォな話
そんな話の繰り返しです。
そして、徐々に、この食べても太らないケーキの理想に近づいていき、とうとう2005年8月、ケーキは完成します。
そして、ブログはここで終了。
4.売る前から完売!
さて、イメージしてみてください。
この間に、ブログの書き手である彼女と、それを読む人との間で何が起きたと思います?
失敗をすれば、「そうなんだぁ、、、なるほどね」と。
指を切れば、「大丈夫?? がんばれ!!」と。
少しでもうまくいけば、「おー、やったぁ!」と。
そして、「明日も、読まなきゃ!」と
なるわけです。
書き手と読み手に、明らかな共感が生まれてると思いませんか?
その証拠に、彼女のブログの記事がアップされるたびに(その記事に対する)コメントやトラックバック(彼女のブログとのリンクのようなもの)は大変な数に上っています。
これは、明らかに、たくさんの読む人の心にファン心理が芽生えてることになります。
そして、このファンたちが、もっとすごいことをやらかします。
2005年8月に生まれたこの、「食べても太らないケーキ」は販売を開始しますが、なんと販売開始前に、予約が殺到し、そして完売!
・まったく広告なしで
・たった1つのブログだけで
・たくさんのファンを生み
・予約が殺到
・売る前に完売
です。
これをビジネスとして考えると、稀に見る大成功と言えます。
誰にもできることではありませんが、実は、やろうと思えば、誰にでもチャンスはあります。
お金や既存のブランドを背景にしなくても、ネットビジネスでの成功がありうることを実感いただけたでしょうか?
それから、ファンを獲得することが、企業にとってどれだけ有利に働くかということも。
上述のブログはまだネットに残っていますので、是非、一度のぞいてみてください。
MAKIE(園山真希絵) おもいっきり食べられるスイーツ レシピ開発!
http://blog.livedoor.jp/sweet_de_diet/
さて、次章も引き続きファンの獲得についてです。
今回は、私自身がやろうとしている、ある新しい試みをご紹介します。