専門家のメッキがはがれ落ちる時代 #1
12月2日付の産経新聞に、こんな記事がありました。
『ブロガー記者 影響力と速さで本職に肉薄』
”ブロガー記者”っていう、なんかちょっと”??”な表現にひっかかるものを感じますが、本日のコラムの本質には関係ないので、まぁ、いいか。
こんにちは。
チームデルタの谷口です。
先の記事、昨年同時期に満を持して登場し、各方面で賛否両論巻き起こして秋の話題を独占した、あのミシュランガイドの2009年版出版記念パーティを取材したものです。
食べることには一方ならぬ関心を寄せている僕としては、一言二言言いたかったミシュランガイド・・・(笑)
でも、今回のテーマは料理でもレストランでもでありません。
テーマは、ブロガー記者(なんか違和感あるなぁ、この言い回し)。
表参道ヒルズで11月18日夜におこなわれた「ミシュランガイド東京 2009」出版記念パーティ。
テレビクルーや新聞、雑誌の記者に混じって、OLやサラリーマンらしき人がいたとか。
実は彼ら、参加制限された一部の記者を差し置いて、招待された「ブロガー記者」だったんですね。
2年連続3つ★に輝いた『小十』の店主、奥田さんがブロガー記者達の囲み取材を受けてたのを見て思わず笑ってしまいました。
ミシュラン広報によると、「読者に一番近いブロガーの方に魅力を伝えてもらうのが狙い」とか。
なるほど。
ミシュランがブロガーたちに期待するのは、こういうことなんですね。
僕も、彼らがこのイベントをどう書くんだろうと、気になってました。
おそらく、昨年より大幅に落としかねない出版部数への対策、そして格付けのやり方に各方面から攻撃を受けるガイドに対し、読者代表を通して好意的な意見を誘導しようというミシュランの目論見はわかります。
出版記念パーティーの会場で得られた情報が、どんな言葉になってブログに掲載されるのか気になるところです。
というか、ミシュランの思惑通りの情報を彼らは発信したのか・・・
あるいは、フリーランスらしい自由な切り口で、新鮮な情報がもたらされたのか・・・
ミシュラン広報部ブログによると、
『それぞれの「記事」に込められた熱意とそのボリューム、そしてそれを
お読みになった方々のコメントは、招待させていただいた我々にとって
素晴らしいプレゼントとなりました。』
だそうで、ちゃんと企業戦略は成功しているようですね。
当日参加した10名のブロガー記者の記事もここで読めますので、よろしければどうぞ。
さて、冒頭でのタイトル
『ブロガー記者 影響力と速さで本職に肉薄』
に戻りましょうか。
これ、本職の記者が書いたものです。
なんか自虐的ギャグに見えたりして。
でも、ちゃんとネタにしてるところがプロだ(笑)。
速さは確かに。
パーティーから帰宅後、素早くアップされてますもんね。
さすが。
では、その影響力は、ほんとうに本職に肉薄したか・・・
タイトルにあるような影響力を持って情報拡散のアクセラレーターに成り得たかどうか、、、本コラムの本質はここですが、これは、彼らの記事を読んだみなさんの判断におまかせしましょうか。
さて、個人のブログですから内容の評価はさておき、ブログをはじめ、情報発信力を大幅に高めるツールを誰もが手にした結果、時に情報に新たな価値を与え、情報の中心を為す可能性を個人が持つに至りました。
このことが、専門家と呼ばれる立場にもたらす影響は小さくないと思っています。
1億総ネット時代の幕開けが
1億総情報化社会をもたらし
1億総記者時代が、いよいよ到来!?
なんてことが、どこかの記事の中で言われてました。
誰もが情報にリーチし、誰もが不特定多数に向けて素早く情報を流し、かつ共有することができる時代。
この革新的な変化をもたらしたネットは、同時にあるものを剥ぎ取ってしまったのかもしれません。
何が剥ぎ取られたのか・・
あるブロガーの言葉の中にその答えを見出すことができます。
★今日した いいこと
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モツ鍋チームデルタ風
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