彫刻家 尾崎 悟 #2
初めて尾崎悟に会ったとき、こいつはいったい何屋なんだろうって思いました。
聞いてみると、本人も困った顔して、「あえて言うと彫刻家ですかね」と。
こんにちは。
チームデルタの谷口です。
芸術家は、きっと「神の声」を頼りに生きています。
尾崎も1枚の鉄を2年間、打ち続けたりします。
でも、しっくりこなかったんです、この男の職業=彫刻家ってやつが。
彫刻家と言えば、
削る
叩く
彫る
人であって、絵を描いたり、空間を設計したり、火を操る人は、僕の中では彫刻家ではなかったんです。
ましてや、家具や照明のようなプロダクトまで手がけてしまう。
彼の「作品」で最初に驚いたのは「料理」でした。
家一軒軽く建つくらい、たくさんのお勉強代払ってきた僕にもそれは驚きでした(笑)。
こんな料理人、少なくとも日本には、まだいないなって思ったもんです。
最近、尾崎が送ってきたメールにこんな言葉があります。
『私としては当たり前の事と思っているのですが、何故かみんな自分の領分というか
どこに籍を置くか、妙なこだわりがあり、気持ち悪いです。
ほとんどのアーチストは、画廊がデビューさせ、作り上げたもので、
<中略>
○○会の××先生のほうが人は安心して買う。
私が画廊と付き合わなかったのは、そうやって形式から脱却できない
“作家先生”を大学で嫌というほど見てきたからです。
でも画廊に背を向けると活躍する場を失い存在できない。
NASAに入らないと宇宙に行けないのと同じです。
芸術は自分をいかに押し進めるかという勇気が最も必要な仕事 と思う。
勝負は己の感性のみで、好き勝手に作品を作り続けたいです。』
業界ルールに完璧に背を向けてます。
それでも、この男の才能を眠らせるのは、あまりにもったいないと確信しているんです。
コラムのすべては、AllAbout Profileにも掲載しています。
◆最新のコラムはこちらから。