役立つ数字と役に立たない数字 ~ Webマーケティングよりマーケティング #25
人は「数字」を使った表現に惹かれます。 例えば、こんなふうに。。 ”リピート率85%” ”累計販売数12万個” ”大満足と答えた方 96%” ”残り4個” ”3分でできる・・・” こんにちは。 チームデルタの谷口です。 いかがですか、数字を織り込んだフレーズ。 強みや特徴を数字に置き換えて表現すると、なぜか説得力や信ぴょう性が増して、強く惹かれるようになると思いませんか? マーケティングメッセージを考える時、広告のヘッドラインやスクリプトを作成する時、数字にできる要素はないか検討することは重要です。(もちろんこうしたクリエイティブを考える前にもっともっと大切なことがありますが) 巷に氾濫し過ぎる感がなくもないですが、ますますものが売れない時代、類似製品との差別化を図るために、「数字」が持つ効力は、まずます活用されるようになると思います。 さて、製品やサービスの実力や魅力を伝えるときに上手に使うと非常に有効な「数字」ではありますがフレーズの中に織り込んでも、ちっとも効果を発揮しない数字もあります。 こうしたケースはけっこうあちこちで目にします。 みなさんも何度も見かけたことがあるんじゃないでしょうか。 例えば、こんなフレーズです。 「創立40年、一貫して地域の・・」 「昭和30年の創業以来、皆様の・・」 いかがでしょうか? Webサイトとか、会社案内のパンフレット、社長さんの挨拶などでよく見かけるフレーズですよね。 商品やサービスを買おうとして、お店や取引先を選別中のあなたに対し、このようなフレーズ、いわゆる「宣伝文句」はどのように伝わり、どのような効果をもたらすでしょうか。 既にお気づきですよね? そうです。 こうしたフレーズは、たとえ数字を含んでいたとしても、マーケティングメッセージとしては、何の効果もありません。 なぜ、何の効果も期待できないのでしょうか・・ それは、誰に対しても、 ・ベネフィット(利益) ・約束 が提示されていないからなんです。 先日、ある工務店から、サイトリニューアルのご相談をいただきました。 数多ある工務店から、ここが選ばれる明確で強力な理由や独自性、そしてそれらの証明など、話の中から探り出そうと思いながらも、お伝えいただくのはまたしても、 「創業○十年・・」 のようなお話(笑)。 一度、こうしたUSP(独自の売り)や戦略立てのお話から離れて、雑談がてらマーケティングの好例をご紹介していた時でした。 電話の向こうから、 「実は、ある方から家を建てたいとの相談があってよく聞いてみると、その方のお父さんも、おじいさんも・・」 というお話。 親、そしてその親と、代々がこの工務店で家を建て、家を建てる年齢に達したご自身も、やっぱり工務店に相談に来たとのこと。 「実は、うちにはこんなケースがちょこちょこあるんですよ」 と電話の向こうから聞こえてきて、『ハッ!』としました。 もうお気づきですよね。 これは、すごい独自性を創造し、好印象と信頼感を醸成する優れた情報になり得ます。 『祖父、父、私、親子三代、みんなここで家を建てた』 『30年前、当社が建てた家に住んでいたあの小さかった男の子が、家の相談に来てくれました』 こんなフレーズが頭に浮かびました。 「創業○十年」は、長い実績をもとに、信頼をアピールしようとするフレーズです。 そしてこのエピソードも同じく、長さをもとに信頼をアピールするもの。 どちらもそれを「数字」で証明しようとしています。 ただし、言葉から受ける印象は大きく異なります。 前者は言ってみれば、『自分勝手な自慢』になりがち。 後者のほうは、短いフレーズの中にも、家族と家と時間の『物語』がありますよね。 家族を長い時間にわたって見守り、人と長く強く関わる『家』という商品をアピールする時、どちらが読む人の心に強く残るでしょうか。 こんな素晴らしいUSPを創り出す可能性を秘めたこの古い工務店をぜひ、取材してみたくなりました。 今回も長い文章を最後までお読みいただきありがとうございました。 本日もハッピーワーキングしてますか? 多くの方々は、もうすぐ週末ですね。 僕は土日、幕張メッセで行われるビジネスフォーラムで少し勉強してきます。 明日からがみなさんにとってエキサイティングな一日でありますように。