畑からIT☆(笑)
セミナー/講演会では、マーケティングだのブランディングだの、イマイチ、肌身に感じにくい話題をまな板にのせながら、なおかつ、たっぷりお召し上がりのランチがいざなう午後の睡魔という敵に立ち向かうため、日々、ネタ探しに奔走する僕の体験を開示しようというのが、このシリーズ「みんなのマーケティング!」。
お客様が喜ぶことって、いったい何よってところからスタートです。
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ある自治体からの依頼でたくさんの事業者の取材を行いました。
その中の、とある小さな農産物直売所でのこと。
生産者が持ち寄った野菜を売る、どこにでもある直売所。
今どきの流行で、どの野菜にも生産者の名前シールが。
「○○さんが作ったトマト」ってやつ。
別にどうってことないでしょ?
が、そこのおっちゃんが取り出した携帯を見てぶっとんだ。
「あっ、品物が足りなくなる!」と取り出した小さいモニターには・・・
そう、自分の販売数と額が1日4回携帯に届くらしい。
畑のおっちゃんは「品切れになる!」前に自転車か軽トラで急いで納品。
1日4回、畑から。
そりゃ、新鮮なわけだわ・・・
実は先の「○○さんのトマト」の正体にも、思わずうなってしまう理由が!
あれは、今どき流行の「安心・信頼アピール」なんかじゃなかったんです。
直売所のおっちゃん曰く、「あぁ、あれ? 売れずに余ったのを作った人に持ち帰らせるため」だって!(驚)
なんて、わかりやすい!
「超新鮮な野菜をご家庭に」の裏では、こんなにもシンプルで消費者に誠実な競争の仕組みがあり、それをITが支えていたんですね。
畑のおっちゃん達、恐るべし。
IT/マーケティング業界でごはん食べさせてもらって既に20年弱なんですけど、久しぶりに、素敵なITの力を見させてもらって、素直に感動しました。
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