記憶に刻め
ある自治体が配信する経済・産業情報メルマガに6回にわたって連載中のコラムからの転載です。
題して、『不況の今だからこそ:信頼構築の勘所』。
こんにちは。
チームデルタの谷口です。
だから、文体、いつもの僕のコラムより硬いですから(笑)。
ついでに、『今日した いいこと』も、ありません。
本日は、その第6回目。
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■記憶に刻め
インターネットは、テレビ、新聞、雑誌など、従来のメディアと並んで、企業にとってのブランディングツールという機能も持ちます。
ブランディングとは、簡単に言えば、ブランドを構築するためのすべての活動のこと。
インターネットは、従来のメディアを通してのみ可能だった、言ってみれば、一部の企業にのみ可能だったブランディングの機会を、全ての企業にもたらしたとも言えます。
それを証明するかのように、インターネット上には、小さな、そして新たなブランドがたくさん誕生しました。
決して、全国的に認知されているわけではない、あるいは、誰もが知っているわけではない、でも、一部のファンにはとても支持されている商品やサービスが、今ではたくさん存在します。
既にブランディングは、一部の企業だけのものではなくなりました。
多くのコストを投じることなくブランディングが可能になったわけですから。
ということは、多くの企業がブランディングを意識しなければならない状況が既に生じているとも言えます。
ネットを有効活用し、多くのコストを投じることなくブランディングに成功した企業は急速に躍進しています。
今後は、ブランディングを経営戦略に取り入れない企業との間で、大きな差が生じることになるかもしれません。
さて、実のところ、『ブランド』とは何でしょうか。
とても身近に使われる言葉ですし、抽象的ですが、その言葉がもたらすイメージは、おおよそみなさんに共通しているところだと思います。
『ブランド』という言葉で日常的にイメージするのが、ブランドロゴやブランドネームですよね。
鞄、時計、自動車、パソコンなど、身の回りにもとてもメジャーなブランドがたくさんあります。
せっかくですから、ここで『ブランド』について少し整理して理解しておきましょうか。
『ブランド』とは、人が何かを購入するにあたり、多くの商品の中から容易にかつ単純に選択できるようにするために、商品・サービスについての情報を整えることです。
もちろん、その商品を売りたいと思う企業が、自身の商品が選択されるようするべき活動です。
すべては、「記憶」への働きかけと言えます。
人が、多くの商品の中から1つを選択するのは、何らかの理由に基づきます。
価格が安いとか、よく知っているとか、知人が奨めたからとか、好きだからとか、かっこいいからとか、何らかの理由があるはずなんです。
その理由に結び付けるための情報が、『ブランド』と言えます。
情報の具体的な要素が、ロゴだったり、ブランドネームだったり、キャッチコピーだったりします。
企業は、『ブランド』を構築するためにさまざまな努力をします。
でも、残念ながら、ブランドの真の価値は、企業の手を離れて、個々の消費者の頭(心)の中に生まれるもの。
企業は、ブランドを作りだし、それに企業にとって最も望ましいイメージを植え付けようとします。
それを目論見と言うならば、企業の目論見と消費者の頭(心)に刻まれたイメージがぴったり一致することが、最高のブランディングということになります。
Aというブランドは、
「シンプルだけど洗練されていて、従来の他社製品よりも低価格」
を掲げて生み出されました。
でも、ブランドAに対する多くの消費者のイメージは、
「シンプルで安いけど、洗練されているとは言えない」
なんていう両者のズレが生じるようであれば、ブランディングが成功しているとは言えませんよね。
『戦略的ブランド・マネジメント』の著者ケビン・レーン・ケラー氏は、
「ブランディングの鍵は、特定のカテゴリー内で、消費者が感じ取るブランド間の差異である」と書いています。
ブランド構築活動とは、ロゴやブランド・ネーム、キャッチコピー、パッケージデザインなどのブランド要素を通して、差別化された価値とイメージを連携するように消費者の頭(心)の中に育てていくことであると言えそうです。
具体的な差別化戦略が決まったら、各ブランド要素に、それらがきちんと反映れているか、企業側の意図がメッセージとして伝えられているかの判断が重要です。
その価値が消費者に伝わっているのか、否か、ということです。
できていると判断すれば、そのブランドを生かす限りブランド要素を使い続けること。
そして、適切な場所で使うことが重要です。
適切な場所、、、そのブランドイメージを好むであろう人たちが多く集まる場所、あるいは集めることのできる場所のことです。
もちろん、ネット上での話です。
企業の目論見と消費者の属性が合致する場所を探す努力をしてみてください。
あなたのホームページが、そうした人たちを集めることができていれば、最も身近な適切な場所となります。
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