ホームページは作らないほうがいい!?
ホームページは作らないほうがいい。
企業活動の範囲を超えて多くの人の目に触れてしまうホームページであるが故に、そして、閲覧者の範囲を自らコントロールできないが故に、そんな場合もなくはない、と僕は考えています。
これは、日本で商用利用が開始された頃からインターネットに関わり、1,000社を超える企業、団体に講演・セミナーを実施し、多くの方々のお話を聞き、ご相談を受けてきた僕の1つの結論です。
こんにちは。
チームデルタの谷口です。
■多くの人が企業情報を求めている
少し言葉を修飾する必要がありますが、僕は、インターネットが企業情報を伝達する媒体としてスタンダードになってしまった現在、
『できの悪いホームページならないほうがいい』
と本気で考えています。
インターネットに企業情報を求める人は年々増え続けています。
企業情報への最初の接点がホームページ、ってことだってめずらしくないはずです。
もちろん、企業情報を求めるのは、投資家やステークホルダー(利害関係者)にとどまりません。
ここで言う企業情報とは、モノやサービスの購入の際に、その企業について知りたいとか、A社、B社、C社の製品を比較したいとか、消費行動も含めた広い範囲での情報です。
さて、イメージしてみてください。
このことが何を意味するのか。
一言でお伝えするなら、
企業イメージはホームページの出来映えで決まる可能性がある
別の言い方をすれば、
貴社がどんなに優れた企業であっても、ホームページのできが悪ければ、悪い印象だけが残る可能性もある、ということなんです。
怖いですね。
出来映えとは、貴社が立案したWeb戦略とか、制作に投入された知恵や汗、あるいは制作コストなどには何ら関係なく、Yes/No、好き/嫌い 良い/悪いといった、ほとんど2進数に近い個々のセンスで処理された結果です。
■ホームページが企業価値を左右する
以前に、ある食品製造メーカーからホームページリニューアルの依頼を受けました。
早々に僕が実行したは、既にあるホームページの企業イメージへの影響調査でした。
その結果、
その会社のイメージは? →古臭い
その会社の商品を買いたい? →いいえ
その会社のことをもっと知りたい? →いいえ
といった、惨憺たる結果が返ってきました。
これは、あくまでも、モニターに当該企業に関する前知識を与えず、ホームページだけを通して得た結果です。
いかがでしょう?
貴社にあてはめて想像してみてください。
僕は、その前に、この企業のオフィスも工場も取材し、経営者、現場、営業にヒアリングを行い、製品を一消費者としてネットを通して購入していました。
それらから得たこの企業の製品作りへのスタンス、その結果として生まれる製品のクオリティとも大変好印象で良質でした。
財務評価や顧客分析など、さらなる調査、ヒアリングを重ねた結果、ホームページのリニューアルによって企業イメージが劇的に向上する可能性があり、経営戦略の矛先を少し変えるだけで、大幅な利益改善を図れることに気づきました。
課題は、優れた製品を生む技術や志に反して、ブランド構築があまり上手にできていないということだけだったんです。
自社の見せ方、伝え方があまり得意ではない企業だったんですね。
その後、僕が得たこれら多くの情報をモニターに伝え、再び語ってもらったところ、彼らの印象は一気に向上しました。
ここでわかることが2つあります。
1つ目 は、
やはり、ホームページのでき如何で、企業イメージが大きく影響を受ける
2つ目 は、
企業情報を正確に伝えることができれば、その印象は劇的に変化する可能性がある
というです。
■営業戦略の重要なポジション~それがホームページ
もしも僕がモニターに伝えたような内容を、企業情報としてきちんとホームページ上で伝えることができていれば、最初のモニタリング時のような惨憺たる結果にはならなかったはずです。
もしも貴社が、営業活動によって顧客獲得に成果を出せているならば、ホームページでもそれができているかどうか、ご確認ください。
もしも、貴社の持てる力が十分に発揮できていないようなら、僕がモニターに伝えることによって印象を大きく覆すことができたように、貴社のホームページを訪問する人たちに、貴社の優位性を見いだせるような有益な情報を与えてください。
ホームページは、社員のみなさんが寝てる間にも、みなさんに代わって、貴社を宣伝し続ける貴社きっての優れた営業職になる力を秘めているわけですから。
インターネットの利用人口が既に9,000万人を超え、高速ネットワークが極めて低料金で利用できる現在の日本においては、企業情報をいかに上手に伝え、いかに良質な企業イメージを創り出すかが大切な命題になっています。
少し極端な言い方をするならば、企業価値を高めることにも低めることにも、ホームページは大きく影響する存在であり、営業戦略の重要なポジションにある、といえます。
特にマスメディアの利用が必ずしも有効ではない中小企業にあっては、ホームページを通して伝えられる企業イメージが、経営に一層影響することは間違いありません。
『できの悪い、企業イメージを壊す/低めるようなホームページならないほうがいい』
の意味、ご理解いただけましたか?
では、貴社のホームページが未来の顧客に、貴社を上手に伝えられているか否か、みなさんで再確認してみてください。
貴社の企業イメージがダメージを受ける前に。
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