市場から消えてください ~ Webマーケティングよ りマーケティング #26
決して意識してそうしようと思っているわけではないんですが、今日、これから書いていく内容は、一部の方々を少し不愉快にさせてしまうかもしれません。
これから書こうとする内容に関し、決して、特定の企業を誹謗するつもりはないことを事前にお伝えした上で、もしも気持ちを害された方々がおられましたら、何卒、ご容赦いただければと思います。
古くて新しい議論、
「Googleの検索結果は公正なのか」
そして、
「Googleの独占とインターネットの自由」
みなさんも一度くらいは聞いたり、考えたりしたことがある話題ではないでしょうか?
たった1社による、この一種のレイティングシステムは、ネットに関わる、あるいはネットを利用する事業者の殺生与奪すら左右しかねない状況を、わずかな時間で作りだしてしまいました。
これ自体、本来ならば見過ごせない事態だと思うのですが、僕ら人類は、経験のない出来事には極めて無力だったりします。
おそらく、こうした状況は当面続くと思われ、そして僕らを含め、多くの企業がこのレイティングゲームに否が応でも参加せざるを得ません。
みなさんの多くは既にご存じのように、この状況こそが【SEO】を生み出し、SEOを舞台に、
【本来、歓迎されるべきでない関係者】
をたくさん登場させる結果を生み出しました。
Googleの検索が目指す方向は、今も昔も変わることなく、
・有益な情報への評価と公正な順位付け
・それを阻む不正行為の排除
であり、最も効果的なSEO対策は
・顧客に有益な情報を継続して伝えること
・適切な文書構造でページを作成していくこと
であることは明らかです。
こうした、ネット上の情報を、利用者の視点で、より有益に、より整理された形で提供することを日々進化させてきたのがGoogleという唯一無二の企業です。
直近では、多くの方々が知るところですが、昨年4月以来、「パンダアップデート」と呼ばれる大規模な更新を、既に10数回にわたり実施しています。
専門家の中には、日本、中国、韓国といった独自の言語圏では実施されていないという人もいますが確かではありません。
また、今年4月には、キーワードの過剰埋め込み、外部リンク獲得に向けたさまざまなリンクプログラムへの参加など、Webスパムと呼ばれる行為を排除するために「ペンギンアップデート」が、日本でも実施され、これらにひっかかるサイトは大きく順位を落としました。
ネットショップなど、直接利益をサイトを通して得ている業態においては、順位の大きな変動は、死活に直結します。
事実、こうした状況に陥り、ご相談いただくケースが後に堪えません。
この1年、こうした不正行為で大きくダメージを受け、傷を作ったサイトをいくつか救済してきました。
ただ、どのご依頼もお受けするわけではありません。
少なくとも、僕は、一部のこうした人たちに対し、決して小さくない憤りを覚えます。
もっと本心を書かせてもらうなら、自ら承知の上で、こうした不正行為を長年に渡り行ってきた企業を、
【顧客をあざむき続けてきた企業】
として捉えています。
短絡的に、お金を使って、本来あるべき順位よりも高い順位に無理やり押し上げる手法をなぜ必要とするのか。
Googleから高い評価を受ける方法が明らかになっているにも関わらず(それが知恵と地道な努力を必要とするが故に、そして、それこそが顧客への貢献につながるにも関わらず)、それに目を向けることなく、不正な行為に走るなど、経営者としていかがなものかと思うのです。
そして、多くのこうした企業のサイトには、「信用」だの「実績」だの、嘘っぱちな言葉が躍っているんです。
つい先日も、Googleからスパムとして認知された結果、大幅に順位を落としたショップオーナーから、救済の切羽詰まったメッセージが寄せられていました。
確かに、目の前でみるみる売上が落ちて行くのですから彼にとってはただごとではなかったんでしょうね。
こんな言葉がつづられています。
『マニュアル的回答ではなく、本当に効果のある回答をお願いできないのでしょうか?こちらとしては死活問題で必死なのです』
早々このサイトを訪れてみると、明らかに、利用者、消費者を欺く情報を見つけました。
僕はこの瞬間、
『この企業は市場から退場すべき』
と判断し、救済することをやめました。
不正行為により順位を大幅に落とした多くのサイトは、実は高い確率で救済できます。
この文章の下に掲載したグラフをご覧ください。このサイトも同様の事情で落とした順位を3カ月程度で、順位を落とす以前よりも良い状況を創り出すことに成功し、先月は過去最高の売上を記録しました。
この程度であれば、実は【内部対策】だけで救済可能なんです。
でも、僕には救済したくないサイトがたくさんあります。
上述のショップオーナーのように、消費者を欺いてでも自社を優位に見せたいという思い。あるいは、自業自得とも言えるような不正を働いたにも関わらず、まったく反省することもなく、救済を求める(しかも無料で)、非常識で恥知らずな経営者が運営するサイト。
こんな、誰にも貢献しないサイトは、市場から消えるべきだと本気で思っています。
救済は簡単ですが、利用者の立場からすれば、救済自体が悪事になりかねません。
上述のサイトは、おそらく短期のうちに立ちいかなくなると思います。でも、それは市場が求めた回答なのかもしれません。
それを執行したのが、たまたまGoogleだったわけですがこうした利用者を平気であざむくような企業は、遅かれ早かれ、排除されるはずです。
おそらく、こうした、企業、サイトの排除は、今後ますます加速するだろうと思っています。なぜなら、広告が収益のほとんどを占めるGoogleという企業にとって、彼らが進化させてきたアルゴリズムの隙を突く不正行為はGoogleの利益を最も損なう行為だからです。
Googleはますます、不正排除の姿勢を強めていくはずです。
『マニュアル的回答ではなく、本当に効果のある回答をお願いできないのでしょうか?こちらとしては死活問題で必死なのです』
経営者として、こんなアホ丸出しの恥ずかしい言葉を吐くような状況に陥らないよう、
顧客の本質的な問題を解決し、
顧客の利益を守り、
顧客から信頼される、
ことで正統な利益を得る、そんな企業でありたいものです。
ただ1つ、心を痛めるのは、サイト構築業者、あるいは、SEO業者に預けた結果、知らぬ間に、彼らが行った不正により、多大な被害が生じるケースが後を絶たないこと。
サイト構築のプロセスを自ら確認、監視し、その1つ1つがGoogleのサイト構築ガイドラインに触れるか否か、判断すべきで、それができなかった依頼者にも落ち度がある、という考えはあまりに酷です。
業者はそれが不正か否か、知っています。(稀になんも知らない業者もいるようですが)ですから、責められるべきは業者なのですが、多くの場合、直接の被害を被るのは依頼者であり、これまた困ったことに、この業者たちはその後始末すらできないことがほとんどなのです。(できない理由は多岐にわたり、複雑なので省きます)
こうした、知らぬ間に業者によって行われた不正については、救済が必要だと感じています。それが業者の責任なのか、依頼者自身に責任があるのか、判断するのはGoogleの仕事ではありません。
Googleがするのは、サイトの評価だけです。
ともすれば、顧客を見失いがちになり、明確な数値によって示される日々のレイティングがゲーム性を持っているため、その本質を見失いがちになる【SEO】。
中には、SEOを【不正な行為】だと勘違いしている方々(業者にもたくさんいます)も多く、ますます間違った捉え方をされがちな【SEO】の本質をお伝えすることが、今さらながら重要になってきていると実感しているところです。