Webの箍(たが)をはずす~Webマーケティングよりマーケティング #4
僕は、Webプロデューサーですが、僕の仕事の本質は『取材』と『執筆』と『ディレクション』だと思っています。 この3つの要素については誇りを持っています。 日本の多くの中堅・中小企業は、声を発するのが苦手です。 自分の言葉を持たない企業が多すぎます。 でも、彼らの現場は極めて魅力的です。 彼らは、当たり前にすごいことをやっています。 でも、これがイケナイ・・ 多くの場合、彼らが【当たり前】と思っていることは、僕らにとっては、当たり前どころか、けっこう【すごいこと】だったりします。 僕はよく現場で笑われます。 『あんたを見てるほうが、よっぽどおもしろい』と彼らは言います。 でも、違うんですよ。 あなたたちは、すごい仕事をしている。 でも、そのことを忘れてしまっているんです。 自慢していいことを忘れてしまっているんですよ。 彼らは、【情報】というものは、【取引先だけ】に発信するものだと思っています。 あながち間違ってはいません。 でも、大きな片手オチです。 彼らにとっての、クライアントは、時に、今、目の前にいる従業員だったり、未来の従業員だったりもします。 取材の中で、自分の会社のホームページを家族に見せられないという声を聞きました。 会社のホームページを見ながら、子供たちと仕事の話をした、という声も聞きました。 僕は、自分の言葉を持たない、地味だけど、すごい企業の、言葉を作り出して声を出す係を引き受けたいと思っています。 これは、僕の重要な使命だと、最近強く感じています。 利益を度外視してもやってみたい、情熱を傾けられる数少ない仕事のように感じます。 でも、ここでWebというくくり、業務が少し邪魔になります。 Webプロデューサーだから、Webから収益を得なければ事業は成り立ちません。 でも、僕がやりたいことは、Web、という【くくり】あるいは、【箍(たが)】をはずさないと実現できないと感じています。 いったん、Webというたがを外して、業務範囲に制約を設けないところから、クライアントに向き合ってみたいと思っています。 正直、売上とか利益は、いったん脇に置くしかありません。 でも、今は、そんなものよりも、こちらのほうに大きなやりがいを感じています。 僕は近いうちに、これまで大切に、誇りを持って取り組んできたWeb屋を返上します。 何屋なのか、当分はわからないまま、ただ1つだけ【大切なクライアントの言葉を発する係】として、渾身の力をこめて、全力で仕事をします。