商品を売らずに情報を売れ!
1.高額商品は売り方のコツがある
今回は、即断しにくい高額な商品や、目に見えにくいサービスをネットで販売する方法について考えてみましょう。
オンラインショップが出始めて間もない頃には、
「高額商品はネットでは売れない」
が定説でしたが、今は決してそんなことはありません。
貴金属類、高級時計、高額な嗜好品など、ネット上のショップにはいくらでもあります。
目に見えないサービスも同様です。
高額商品の代表と言えば「住宅」ですね。
こうした「高額商品」は、買うことを決めるまでのプロセスが長くなります。
もともと、新規顧客が1度の訪問で購入を決定することが稀なネット販売においては、こうした高額商品の販売にはより一層の戦略が必要になるはずです。
では、ご一緒にイメージしてみましょうか。
高額商品やサービスに興味を持ち、購入に至るまでのプロセスは、おおよそ以下のようになると思われます。
フェーズ1:商品についての学習=情報収集1
フェーズ2:商品についての比較=情報収集2
フェーズ3:意思決定=買う/買わない/どこで買う?
の流れを前提にすると、高額商品やサービスを「いきなり売り込む」のは、本来、困難であるということにお気づきになるはずです。
すなわち、ホームページを企画し、制作するときに、「売る」ことが最終目的であっても「売る」ことを前面に押し出した
情報の提供
閲覧順序/ページ構成
にしても、おそらく成果はあがらないだろうと予想できます。
2.売ってはだめ!?
ここで、もう1度、ホームページ訪問者の心理Part1と心理Part2に基づいて考え方を整理し、こうした高額商品やサービスの販売の仕方に応用できないか考えてみましょう。
ネットの利用者の心理は、社会との接点から解放された状態にあり、より自由、より個性的、よりわがままです。
売り手の人柄が見えにくく、利用者の趣味、嗜好性が表に出やすいにネットでは、商売のやり方に対する、利用者の「好き」「嫌い」が明確に示されます。
以下にまとめてみましたので参考にしてみてください。
嫌われること:
営利性や営業色の強い内容
一方通行の情報提供
好感されること:
自分が求めるものにフィットする価値
同じ目線をもつ利用者の声(購入者の感想)
コミュニティ(BBS等から発生するナチュラルな口コミ)
イメージしてみてください。
自由な時間にゆっくりと商品の情報収集したい人の気持ちに届くような情報提供とは何でしょうか?
いずれ意思決定し、購入という行動に移ることになれば、営業担当と話をすることになるのは必至です。
すると、その前、商品の情報収集段階で、利用者に好印象を残すためにはどんな情報を提供すべきでしょうか?
それは、
その類の商品・サービスを選択するために、まず押さえておくべきポイント
間違った選択をしないための知識やノウハウ
といった商品・サービスの理解を深め、選択の手助けになるような情報ではないでしょうか?
これこそ、 「自分が求めるものにフィットする価値」ということができます。
「えっ、そんな役立つ情報を見せて、その結果、よその業者が選択されたら元も子もないじゃないか?」
ですか?(笑)
そういった方は、利用者に有益な情報を惜しみなく提供することが最終的には貴社にメリットをもたらすということを理解いただくために、まずは、これを読んでみてください。
こうした情報提供を行うことで、実は、貴社への印象が、ライバルよりも一歩も二歩もリードすることになるんです。
3.信頼感を醸成する
「なるほどねぇ」と思ってもらえる情報を惜しみなく提供して、見込み客一歩手前の利用者の心をつかんでください。
即断できない高額な商品、目に見えにくいサービスの購入を検討する利用者に対しては、
利用者自身が納得できるようなお役立ち情報の提供を惜しまない
ことによって、貴社への信頼感を醸成させることを第一の目的に据えることが大切かと思います。
もちろん、ホームページを企画し、どのような情報を、どのような順番で見せていくか、シナリオを計画される時に、上述のような考え方をしっかりと検討してみてください。
いいですか、間違ってもこの段階で、
「だから、当社の商品・サービスは他とは違うんです!」
的な情報を挟まないでくださいね。
今、貴社の見込み客になろうとしている人は、あくまで”学習中”なんですから。
十分に納得する前のお客さんに、高圧的で一方的な「売り込み」は、せっかく醸成されつつある購買心理に、バケツで水をぶっかけるようなものですよ。(笑)
最後にもう1つ。
こうした高額商品やサービスの販売においては、
「ホームページだけでは完結しない」
ということをしっかりと意識しておいてください。
特にサービスに関しては、いずれ、見込み客と貴社のご担当者とが顔を合わせて話しをすることで最終的に成約ということになるはずです。
とすれば、ホームページがどこまでを引き受けるのか、そして、人はその後、何をするのかという、ネットと人との上手な連携が明確になっていなければいけないということに、気づくはずです。
こうした戦略も、ホームページの企画段階で検討された上で、
提供する情報の選別
見せ方のシナリオ
を計画されることが大切です。