成功の理由 -7:職人礼賛
グルメ雑誌が企画した「日本一のピカイチ醤油はこれだ!」が本屋に並ぶ頃と前後してクライアントのサイトは公開されました。
さて、メディアとそれを目にする人は、いかなる動きをするのか・・・
・業販の一部をトン売り(他社ブランド)から瓶売り(自社ブランド)へシフト
・業販の0.5%程度をネット販売にシフト
すること。
これが、このクライアントに対する僕のWeb戦略でした。
すなわち、仮に売上が同じでも、営業利益をドラスティックに上げること。
「手作り」の品質をビジネスの糧とするクライアントに大幅な増産は望めませんから。
そのためにやったことは、
「実力のある商品に正しく権威付けすること」
これだけです。
結果はすぐに出ました。
数百リットルの箱で出荷されていた醤油は、瓶詰めとして首都圏のデパ地下へと流れを変え、主婦層から相手にされなかった高級品は、食にこだわるグルメ達の手にわたり始めました。
グルメ雑誌で火がついたメディア戦略は、TV、雑誌に浸透し、その後、料理評論家や食のプロたちが発刊する書籍やブログを通して口コミが起こり、サイトリニューアル後、1年半を経て、いまだ取材、アワード受賞とトピックに事欠きません。
あの高級で売れなかった醤油の伝統の製法と旨みは、あの頃と何1つ変わることなく、蔵人の手と、150年もの間、樽に棲みついた菌たちの精緻で神秘的な仕事を通して今日も造られ続けています。
Webの世界もマーケティングの世界も、我関せずと言いたげに。
Web戦略が導いた「心あるものづくり」の物語はこれで終わりです。
次回からは、「ハート伝える」をテーマに書き進めてみたいと思っています。
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