SEOなんていらない!?
1.魔法の杖なんてない!?
以前より、私のセミナーにおいては、早い時期からSEOについて話してきました。
一般の経営者の方々には言葉も意味も伝わりにくく、その必要性を説くのに苦労した覚えがあります。
しかし、反面、受講者の方々がセミナーを終えて帰社するなり実施したところ、その翌週には「先生! 1つのキーワードでトップに表示されるようになりました!」といった劇的な変化に、喜びの声をよくいただいたのも確かです。
今はどうでしょう?
本屋には、SEO/SEMといった言葉を前面に使った本が平積みされている風景もめずらしくありませんね。
企業経営者、ネットショップオーナー、Web担当者をはじめ多くの人が知るところとなって久しいSEO。
みなさんも、この言葉に心引かれ、苦心されたご経験がおありでは?
このコラムのタイトルですが「SEOなんていらない!?」ですが、なんで、SEOが必要ないの?という声が聞こえてきそうですね。
いえいえ、実はそんな乱暴な話ではないんです(笑)。
ネットを使った集客事例、成功本、ノウハウ本が毎日のように出版され、書店の一角を埋めています。
”絶対に失敗しない7つの○×△□”
”誰も言わなかった○×△□”
”目からウロコの○×△□”
といったドラスティックなタイトルを持った書籍が目白押し。
あなたも一度くらい目を奪われたことがあるのではないでしょうか?
でも、特定の言葉に心を奪われてると本質を見失うことだってあります。
顧客獲得、売上げの向上を目指すネットビジネスの実践者においては、どうも悩ましい言葉の一つがSEOではないかと思います。
これさえやれば、劇的な変化が期待できるのではないか?
ここから活路が見出せるのではないか?
いくらか費用をかけてみたいが、本当にその成果は期待できるのか。
ネットビジネスに関わるご担当者の心のうちが聞こえてきそうです。
インターネットの商用利用が始まった頃からインターネットに関わってきた私は、こういう、One Word が持つ「魅力と魔力(!?)」をたくさん見てきました。
その1つの例がホームページ=Webサイトです。
それがもらたすであろう効果に、あまりに過大な期待をかけすぎて、ツールとしてのそれらの価値、機能、効果についての検証がおろそかになってしまった失敗例は企業規模の大小を問わず後を絶ちません。
よろしいですか。
SEOあるいは、SEO/SEMは、魔法の杖ではありません。
それがあれば、それさえあれば、何か劇的なことが起こるかもしれない、、、、
そんな考えは今すぐ捨てるべきです。
2.SEO=売上げ向上のウソ
では、そんな目を奪われがちな「SEOについての考え方の間違い」をここで証明しましょう。
SEOは端的に言えば、集客テクニックの1つです。
しかし、
集客=売上げ向上(購買率向上)
は大きな間違いです。
間違いを検証する最もよい方法は、ホームページを訪れる利用者の気持ちをトレースしてみることです。
例えば、YahooやGoogleを使って、ある情報を探そうとしている人がいるとします。
その人は、欲しい情報がどういうものかきちんと特定できているはずです。
そして、それを実現するために、いくつかのキーワードを入力して検索ボタンを。
まずは、最初の10件が表示されます。
あなたが、その利用者だとしたら、次に何をしますか?
一番上から、片っ端からクリックします?
たぶん、しないでしょう?
では、何を基準にクリックするか/しないかを決めるのでしょう?
それは、
「タイトルとその下に繋がる説明文が、欲しい情報にどのくらい近いか」
ではないでしょうか?
→これが選択基準の1番目。
はい、では、貴社のホームページが運良く選択(クリック)されたとしましょう。
そしてYahooを離れ、貴社のホームページへやってきた利用者。
貴社のホームページにおいて、
・注文ボタンを押してもらう
・資料請求ボタンを押してもらう
・営業へのお問合せをいただく
といったアクションを起こすまでには、さらにいくつもの難関が待っています。
想像してみてください。
利用者がどういう経路をたどって、あるいは、どういう気持ちになった時、貴社のホームページ上でお金を使うことを決断するのでしょうか?
他にも星の数ほどあるホームページの中から、貴社のホームページにたどり着いてなおかつ、そこで、見ず知らずの貴社に対してお金を使う、商品を購入するということが、利用者にとってどういうことを意味するのかを。
少なくとも、「お金を使うにふさわしい正当な理由」が1つ以上必要です。
もしも、訪問者の10人に1人でも購買するようなら、貴社のホームページをとてつもない成功事例として私があちこちのセミナーでご紹介させていただきます。
→これが選択基準の2番目
ホームページでの利用者の振る舞い、行動を普通に考えるならば、注文ボタンを押すどころか、トップページを見ただけで、とっとと離れていってしまう可能性のほうがよほど大きいことを知っておいてください。
すなわち、せっかく訪問してもらった利用者に、あなたが希望するアクション(注文ボタンを押す、資料請求、お問合せなどなんらかのオファーがあること)を起こしてもらうために必要なことと、とりあえずホームページに集客するために必要なこととはまったくの別問題なんです。
さて、話を戻しましょう。
もうおわかりでしょうか?
そうです、
集客数の向上=売上げの向上(購買率の向上)
ではないということです。
集客のテクニックには、SEOを始めいくつかの方法があります。
ですが、SEOと売上げの向上には直接の関係はありません。
訪問者が、みなさんのホームページを通して購買者(顧客)になるには、上述のように2つの選択基準を満たす必要があります。
逆に言うと、SEOでは、2つの選択基準を満たすことができません。
すなわち、SEOに費用をかけることは、必ずしも売上げ向上をもたらすことではないのです。
3.目を向けるべき方向とは・・・
確認しましょう。
SEOは集客(ホームページに人を連れてくる)数のアップに有効なテクニックです。
でも、購買率向上テクニックではありません。
SEOの効果は、その認知の高まりと実践する企業の増加により相対的に費用対効果が低下しています。
かけた費用に見合う結果を得ることが徐々に難しくなりつつあり、例えよい結果を得たとしてもそれ持続が保証されてはいません。
しかし、問題はそのことではないのです。
よろしいですか。
私が、是非、みなさんに知っていただきたいのは、SEOに注目する人の多くが、
集客率向上(SEOにお金を費やすこと)=売上げ向上(購買率の向上)
とお考えになっているということなんです。
この間違いは、ネットビジネスにおいては致命的です。
再度、お伝えします。
貴社のホームページに人がやってくることにお金をかけても、売上げが上がるとは限りません。
ホームページ上で売上げるためには、そのための考え方や戦略が必要であり、SEOに手間隙かけることが、それを満たすことではないということを知っていただきたいのです。
最後に試されるのは、
ホームページの実力=顧客への情報の伝え方=その気にさせる力
なんです。
すなわち、貴社の経営戦略とその伝達力です。
ネットビジネスに関わる方には、ここに汗していただいたいと切に願っています。